ロボットの足音の作り方

2010年12月4日 in ハウツー, 効果音の作り方,

ズシーン!ズシーン!という豪快なものからモキュッモキュッという可愛らしいものまで、ロボットの歩行を表現する足音はいろいろある。ここでは巨大なリアル系のロボットの歩行音を作っていく。

材料

ロボットの足音の作り方「材料」パンデイロ、厚い本
  • パンデイロ 1本
  • 厚い本 1冊

真ん中に山羊皮を張ったパンデイロと、管弦楽法や辞書のようなぶ厚い表紙のしっかりした本を使う。ここでは巨大な物体が動く強い音を出すためのパワーを貰えそうな気がしたのでこの本を使うことにした。

作り方

1.パンデイロを本にぶつける。

試聴:ぶつけた音(ノーマライズ・トリミング済み)
動作①
ロボットの足音の作り方「作り方1」パンデイロを本にぶつける動作1。
動作②
ロボットの足音の作り方「作り方1」パンデイロを本にぶつける動作2。

動作①と動作②を適当な間隔を空けて連続して行う。タタンッという感じ。パンデイロを足に見立てて、かかとが地面に着いて足の裏全体が着くことをイメージするとよい。二つの動作の間隔と動作②での止め方によって様々な足音の原音を作ることが出来る。動作②でパンデイロと本を素早く離してパンデイロの皮のドゥーンという低い振動音を鳴らして入れても面白い。

楽器自体の調整の話になるが、パンデイロのジングル(周囲に複数付いている小型のシンバル)が鳴る音量を調節して変化をつけることもできる。ここで使用したパンデイロはジングルの鳴りを少し抑えるためにテープを張っている。

録音の際は、パンデイロ側からマイクを向けると良い。パンデイロと本が合わさった時の風に吹かれず、パンデイロの皮の鳴りも入れやすい。

2.ピッチシフトする。

試聴:ピッチシフトした音

ここでは半音6個分落とした。原音とエフェクト音の割合は2:8。音を複雑にすることで大きな物体の動きを表すことが目的。高域不足も補える。どんな雰囲気の音にするかによって落とし方や割合を調節する。

3.リバーブで破壊感を出すための下地作り。

試聴:リバーブをかけた音

ここでのリバーブは、リバーブ本来の空間演出が目的ではなく、足が地面に衝突するという大きな物体の動きを表すための破壊感を出すための準備が目的。きっちり目的に合った長さでリバーブをかけるも良し、長めにかけておいて最後にトリミングするも良し。ここではタイムを短くし(0.7秒)、更にデンシティを小さめ(50%)にしてブイィィィィンという機械的な音が入るようにした。

4.ディストーションで破壊感をつける。

試聴:ディストーションをかけた音

ここでは低音で重厚感を出しつつ高域はとがらせすぎず篭らせない程度に調節。

5.イコライザーで表情をつける。

試聴:イコライザーをかけた音

中域から高域を持ち上げて近接感と鮮明感を出した。用途によって適宜調整。

6.ノーマライズで持ち上げ、最初と最後をトリミングする。


試聴:ロボットの足音

作り始めはこんな音。

試聴:パンデイロと本をぶつけた音

バリエーション

パンデイロと本のぶつけ方に変化をつけた足音のバリエーション。エフェクト等編集作業は同じ。

記事/西尾康成

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